
基礎から学ぶ居酒屋 居抜き店舗について
日本の労働時間法制度の問題点まず労働時間の問題。
なぜ健康を害するまでわたしたちは働かなければいけないのだろうか。
して、労働時間の上限を規定する法規制がないことを指摘している最も重要でありながら現代日本に全く欠けている制度が一日最低連続二時間の休息時間である。
最低二時間確保されるということは、一日二四時間のうち、労働時間と休憩時間を合わせた拘束時間は最高でも一三時間に制限されるということを意味する。
休憩時聞が一時間とすれば、一日の労働時聞は最高でも一二時間までということになる。
ここまでなら幾らでも働いていいという趣旨ではない。
別に時間外労働を含めても一刺週間四八時間以内とせよという規定がある。
休憩時間を一時間として休息時間以外を全て労働時沖合間に充てれば、一日一二時間×六日H週七二時間となる。
これを超えることは絶対的章に許されないという、いわばレッドカードゾーンといえる日本の労働時間規制におい飢えて欠落しているのは、まさにこのレッドカ-ドを出すべき最高限度の設定である。
日本の労働基準法では、労使協定で定める時間外労働の限度基準が一応定められることになっているが、それを超える時間外労働を禁止するものではない。
どこまでいってもイエローカ-ドしか出せない仕組みになっているのである。
序章では、イギリスの長時間労働文化についてふれた。
漬口氏によると、そのイギリスですら、この休息期間の絶対的な上限は設定されており、無制限に労働時聞が伸びることに歯止めをかけているという。
もうひとつ重要なのは、残業手当の割増率の違いであろう。
通常、所定内労働時間を超えて従業員を働かせる場合には、会社は割り増し手当を払わなければならないことになっている。
欧米諸国では、この率は五O%。
つまり、通常の時間あたりの給与の五割増の給与が支払われなければならないことになっている。
これに対して日本では二五%増と低い割増率になっている。
新たに労働者を雇い入れれば訓練費用などの費用もかかる。
それを考えると、同じ労働者に長く働いてもらう方が会社にとってとくなしくみになっているのである。
このように低い残業割増率と労働時間の上限規制が欠落した状況のなかでは、とくに新規に労働市場に参入した若者に、そのしわよせがゆきやすい構造になっている。
社員は五割を切っており、過半数を超える女性が非正社員として働いている。
非正社員という働き方が女性にとって、標準的な働き方になってきているのである。
ちなみに、不況期に正社員の数がへるというのも九七年以降の新しい現象である。
それまでは、不況期に非正社員の増加が抑えられるという傾向がみられたが、正社員数は増加を続けていた。
八七年から九七年にかけて正社員数は約四OO万人増加している(厚生労働省「パ-ト労働の課題と対応の方向性」、二OO二年七月)。
ところが九七年からO二年には逆に四OO万人正社員が減少している。
このことは、非正社員の増減が景気の波に左右されているのではなく、構造的に日本経済が非正社員に大きく依存する経営に変化してきたことを示しているのである。
採用の霊化とはいうものの、正社員がすべての年齢層で非正社員に代替されているというわけではない。
非正社員がふえているのは、新規採用の対象である若者や就業を一日一中断したあとに再度労働市場に戻る中年層(主に女性)、定年退職後の年齢層においてである。
たとえば、O二年での、パートやアルバイトの比率の高い年齢層をあげて見ると、男性では、一五-一九歳全面・二%)、二01二四歳25・三%)、六五歳以上(二一・五%)となっている。
他方、女性は一五1一九歳(七五・四%)、二01二四歳(三四二%)、四01四九歳(四人・一%)、五0を示したもので、O二年の数字である(総務省「就業構造基本調査」、二OO二年)Oつまり、現在採用されている正社員をパ-ト労働者によって代替しているわけではなく、新規採用において正社員の抑制がおきているのである。
国内外で、小売業で働く労働者の労働時聞が長くなっているのは、開閉時聞を規制していた法律が撤廃されたことも大きい。
世界的な傾向である。
また、大規模小売店舗法が改正され、大型店が出現するようになるのも九0年代後半である。
この法律は、店舗の大きさなどを規制することで、中小規模の店舗が、大型店の進出によって、仕事を奪われないように、実質的に国内の中小の小売店を守るために存在した。
その法律が二OOO年に廃止された。
そのために、郊外に駐車場つきの大型店舗がつぎつぎと建ち、駅前の商店街から客足が遠のいてしまったのである。
こういった競争の激化が、小売店の経営に大きな影響を与えている。
開閉時間の自由化にともなって、労働時聞が長くなる。
それを九時1五時まで働く正社員だけで切り盛りするわけにはいかない。
勢い非正社員の採用をふやさざるをえないのである。
いいかえれば、競争の激化とともに、利益を上げるために、いまよりも柔軟に活用できる労働者をふやしたいという会社の要請が強くなってきたのだ。
それが非正社員の採用をふやしている。
また、臨時労働者や派遣労働者など雇用保障のない短期の雇用がふえているのは世界的な傾向であり、ここには経済のグローバル化がとても大きな影響を与えている。
この増加、なかでもパ-トやアルバイト労働者の増加は、諸外国以上に日本で顕著である。
また、日本では会社に(正社員として)入って、働きながら職業能力を身につけることが一般的であるので、一度フリ-ターになってしまったら、そこから抜け出すことが難しい。
実際、入職時にフリ-ターだったひとで正社員になっているひとは約三割にすぎないといわれる。
つまり、このまま日本のしくみが変わらなければ、大きな格差を将来にわたって生み出してしまうことになる。
この正社員の減少と、インタビューの結果を総合してみると、仕事が細分化され、単純作業にパートタイマーやアルバイトがつくようになったことと同時に、企業が正社員の採用を抑制したために、若手の正社員の仕事が以前にくらべてきつくなっているのではないかとおもわれる。
これを東京大学の玄固有史氏は、仕事格差の拡大とのべている。
フリ-タ-の仕事が単純作業にかたよっているといわれる根拠は、いままで熟練の社員がやっていた仕事のうち、単純作業はパ-トやアルバイトに任せ、責任がともなう管理的な仕事は社員がおこなうというように、仕事が細分化されてきていることがある。
業問競争の激化により企業の人事管理や仕事の配分がきめ細かくなっているという面もあります。
今まで熟練労働者が一人で担当していた仕事を分業化することによって、未熟練労働者でも作業ができるようになったという例です。
ブルーカラー、ホワイトカラーを問わずみられる傾向です」(「労働時報」、二OO一年六月号一八頁)と語っている。
仕事がきつくなっているのは、新卒採用の若者だけではない。
O一年の週六0時間以上働いている男性の年齢別の分布である。
九時五時で週五日働けば週四0時間の労働になる。
六0時間とは、毎日四時間以上の残業をしているひとである。
興味深いのは、この割合が、年齢と逆相関にあることである。
年齢が若くなるにしたがって、週六0時間以上の過重な労働をしているものの割合が高くなる。
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